不動明王とは・・・

「お不動様」の名で親しまれている不動明王は詳しくは不動威怒明王(ふどういぬみょうおう)といいます。略称して不動尊とも無動尊ともいわれます。インド古典語においては「アチャラ・ナータ」といい、ヒンズー教のシヴァ神の別名です。シヴァ神を起源とするともいわれているが両者の関係は不明です。そして、不動(アチャラ)とは不動堅固の菩提心(悟りを求める決意)を意味しております。宇宙の真理そのものである完全無欠の法身仏であるのが大日如来です。その教令輪身として形を変えたのが不動明王であり「不動使者」とも名付けられています。如来の「一切の邪悪を取り除こう」という勅令を受けて、当たり前の説法では救いがたいような剛強軟化の衆生を救済するための願いをお持ちであります。様相は磐石(ばんじゃく)の上に御立ちになっているかお座りになっており、背中の火焔は「煩悩を焼き尽くすぞ」というメッセージが込められています。右手にお持ちの利剣(りけん)は浄菩提心の智恵を意味し、左手の羂索(けんじゃく)は古くは戦闘具であったが慈悲のシンボルであります。そしてやはりお不動さまは表情が怒っております。「仏さんは優しいだけではないぞ。」という厳しさの真意は大変な優しさの裏返しなのであります。 

護摩とは・・・

  仏教における火の密儀である。力強く燃え盛る火に対する熱烈な祈りの儀式である。護摩の本尊は観音や薬師などあるが、一般には不動護摩であり不動尊と護摩との結びつきは分けられない関係である。我が国に最初に不動護摩を伝えたのは弘法大師空海であり、何度も修している。不動信仰とはインド以来の伝統に基ずいたものであり、弘法大師の護摩次第とチベット訳のそれと対比してもインド直伝のものである事は否めない。サンスクリット語のホ−マ(homa)の音写である護摩は語根hu(火の中に投げ入れる、供える)という動詞からできた言葉で、火中に供物を投入して神仏に献供することを意味する。護摩行とは行者と火と本尊とが一体となるのを観じ、入我我入の境地に入って一切衆生とともに菩提を成じ、また自他のいっさいの業障を焼き滅ぼす行である。


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